青龍堂 小川香月泰男 「生」を描く (後編)香月泰男《かまきり》52.1×31.5㎝ 今にもクリっと頭を動かしそうなカマキリが最小限の線で生き生きと描かれ、余白の広い墨の背景にその存在が際立っています。幼い頃、水墨画を見て育った香月の東洋的で静謐な「墨彩素描」、なかでも虫の作品は特に人気があります。...
青龍堂 小川香月泰男 「生」と「死」 生誕110年大回顧展現在、戦後を代表する洋画家・香月泰男(かづき やすお 1911−1974)の生誕110年 「大回顧展」が巡回中です。2022年5月29日まで栃木県の足利市美術館で開催されています。 太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いた「シベリア・シリーズ」全57点などの代表作が展示されて...
青龍堂 店主厨房の画家 香月泰男香月泰男のこの絵は、奥さまが使っていた軍手だと思います。 香月泰男は、シベリアから帰ったあと「厨房の画家」と言われていました。 奥さまの育てた野菜や台所の魚や食べ物などを、何もかも絵にしていたそうです。 ブドウをもらってきたら「味をみたらようわかる。ちょっと食べてみよう」と...
theblueboxシベリアの太陽 香月泰男シベリアに抑留されていた香月泰男は、その雪の白と光のない黒の世界に登る太陽を描きました。深い失望感や希望から隔絶された心情を「黒い太陽」に、戦争の虚しさを「灰色の太陽」に託して描いています。太陽そのものの崇高なまでの美しさも表現しています。シベリアシリーズとして、香月泰男は晩年ま