先月からサザビーズが開催しているオークションハウスビジネスの講座をオンラインで受講しています。
内容はオークションハウスの仕組みから、作品の評価、法律や金融取引について、アートビジネスの今後についてと幅広いです。毎週、テキストと講義、そして世界の様々な受講生とのディスカッションに追われています。最近は講義ビデオにもキャプションがつきますし、Google翻訳のお世話にもなっていますが、語学の壁は厚く高いです。登った先に何が見えるのか楽しみに頑張っています。
課題の一つに、楽しいものがありました。
「ニューヨークのアパートアパートメントにあなたが住んでいて、十分な予算があれば、何をオークションで買いますか。」
以前購入していた「教養としてのアート 投資としてのアート」(著者:徳光健治)を手にとったところ以下のような記述がありました。
”インテリアに合わせて作品を選ばない...リビングの飾る作品を探したいとか、玄関に似合うもの....”こう言った基準で作品を選ぶとサイズやジャンルが制限されてしまうそうです。”インテリアに合わせるという考えはコレクションの幅を抑制し、よい作品蒐集にはつながらない””どこに掛けるかを前提として作品を選ぶのではなく、作品を買った後でどこに掛けるかを考えたほうがよいコレクションに繋がる...”
いい悪いの議論ではなく、考え方として面白いとおもいました。引き付けられる作品に出会ってから、この作品をどこに飾ろうか考えるのはある意味制限から開放されます。
例えばこのピカソの作品、「苦しむファウヌスの顔」はギリシャ、ローマ神話のファウヌス神の顔が立体的でかなり重厚感がありエネルギーに溢れています。
さてこのエネルギッシュな作品をどこに飾りましょうか。ニューヨークのアパートメントですが、さほどスペースはないでしょう。リビングのソファーの上、暖炉の上、階段の壁、寝室、ベッドの真上、サイドテーブルの上、机の上、魔除のような感じで玄関もいいですね。
画廊の中でもいろいろな飾り方を試してみました。飾る場所や、また何と一緒に飾るかによってもこんなに可能性が広がります。
こんなことをしているので、課題がいっこうに捗らないのですが楽しく贅沢なひとときです。
(文/The Blue Box)
追記★「苦しむファウヌスの顔」はお客様にお買い上げいただきました。
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