だんだん夏の陽気が感じられる季節になってきました。
山や川、そして海などの自然が溢れる場所に行って楽しみたい、又は海外へ旅行がしたいと思う気持ちが昂りますが今はまだ油断のできない時でもあります。
しかし、絵画はその夏への思いを身近に感じさせてくれるものです。
今回は、そんな夏の海を感じる作品を紹介したいと思います。
こちらの作品は、梅原龍三郎の「南仏の海」(ミラマル ド エストレル)です。
1962年に制作された今作は梅原が毎年のように訪れていたフランスのカンヌの風景です。
梅原は「まだ誰もあの美しい夕焼けを描き切っていない。」と言って、赤や緑、青、金という梅原らしい鮮やかな色彩を使って描こうとしていました。
度々、ヨーロッパの各国を訪れていた梅原はその地で得た素直な感動をそのままに表現しています。そして、それがどんなものにも囚われない軽やかで爽やかな作品ができるのだと思います。
続きまして、こちらの作品は野口弥太郎の「カンヌの港」です。
東京生まれの作家ですが、幼少期に各地を転々とし、そこで父の出生地でもある長崎の諫早へ行きます。そして、そこから長崎を愛し続けて、長崎の風景画を数多く描いております。また、北海道やフランス、イタリアなど様々な地へ旅をしては作品を残しています。
今作は、爽やかな海や空を青色で全体的に表現しており、また手前の南国の植物の濃い緑色がよりその青色を強調させています。
今年の夏は外へ思いきり出れなくても室内で絵画を見て感じる夏はいかがでしょうか。
梅原龍三郎《南仏の海》(ミラマル ド エストレル) 1962年 鉛筆・岩彩 紙 32.8×47.8
野口弥太郎《カンヌの港》油彩 キャンバス・ボード 33.0×46.0
#Cannes
(文/青龍堂 大木)
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