1903年神戸に生まれた小磯良平はフランスに留学し西洋画の薫陶を受けます。欧州絵画の古典的な技法を日本の洋画に根付かせる為に研究を重ね、東京芸術大学で教鞭をとり後進指導にも力を入れました。
小磯の作品は平安な気分や静寂なたたずまいが独特な時間が止まったかのような空気をもたらしてくれます。
1982年に描かれた「西洋婦人」

この作品を観ているとまさにそんな気がして時の経つのも忘れてしまいます。
光にこだわっていた作家の特徴が中心に向かって筆数や色彩が強くなっている点です。見ていると自然とその中心に目が行ってしまいます。

( 拡大写真です。背景も人物も筆数や色彩が強くなってます。)
この小磯良平の作品に欠かせないのがこの手彫りのチーク材の額縁です。もう今では職人もいないので作れないそうですが品の良さと深みのある絵をとても良く引き立たせています。

(手彫りの額をご覧下さい。いい味出てますよね。)
平穏で静寂な気分を味わって、時間の経つのを忘れて頂けましたでしょうか?
(文/青龍堂店主)
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