
十三代市川團十郎白猿襲名の筋書の表紙が前田青邨の「牡丹」(古川美術館蔵)でした。
青邨は市川宗家とのつながりが深く
「十代目市川團十郎さんとは福三郎時分からの古い知人で、十一代目とは市川家へ養子に行かれてから、そろって小宅へ見えていた」
と手記が残っています。
また、青邨の妻すゑは荻江節の初代家元、荻江露章の妹でのちに五代目荻江 露友で夫婦で市川家代々との親交を持ち、舞台や衣装などの美術の面からも支えたという多くの記録が残っています。

ちゃんと裏表紙には青邨の落款も見えました。
昔は多くの画家が歌舞伎や作家などが幅広くお付き合いをしていてまたそれがお互いの芸や芸能や文学にも多大に影響していたのだと思います。
(文/青龍堂店主)
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