青龍堂のミッションの一つは、20世紀の日本画の真価を海外に伝えていくことです。そのためにできることをと、アート・エデュケーターの宮本先生にアート英語の研修をお願いしています。
先日は、日本のゴッホ、放浪の鬼才といわれた長谷川利行の作品を
とりあげていただきました。
最初に目に入ってくるのはなんでしょうか?
先生と一緒に絵の鑑賞法に忠実に一つ一つ見ていきます。
●赤、黄色、白のブーケ
ー生き生きとした(vibrant) 色の花の配置がダイナミック(dynamic)です。
●控えめな(subtle)グレーの背景(background)
ーはっきりとした(distinct)縦の筆遣い(vertical brushstrokes)
●花瓶とタイルのテーブル
ー透明な(transparent vase)から見えるタイルがリズミカルです(rhythmic quality)。
最初とはまったく違った印象を楽しめます。
ダイナミックなのにエレガント、画一性(uniformity)と混沌(chaos)のバランス、が私たちの感性に響きます。
「ずっと見ていられる絵」という言い方をよくききますが、この絵も
そういった絵の一つです。
ゴッホを思い起こさせるようなエネルギッシュな筆遣いと色が魅力ですが、不思議と上品さも感じます。
利行はアトリエをもたない画家でした。放浪の末、行き倒れになり40代で亡くなるという壮絶な生き方をしました。
(文/The Blue Box)
作品情報
長谷川利行
「花」
油彩・キャンバス
1937年
41.0×32.0cm
東美鑑定評価機構あり
宮本先生へのお問い合わせはこちらからおねがいいたします。
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