藤田嗣治は手先も器用で家のミニチュアを作ったり油彩のキャンバスも自ら貼ったりしていました。
また、大変筆まめな人で沢山の手紙も残されていて、本や版画などにも頼まれるとさっと猫など描いたりもしてくれたようです。
この作品もやはり誰かに差し上げたものでしょう。初めにサインを頼まれてそのあと猫も書き加えたのかもしれません。

描いた順番はその場にいた人達しかわかりませんが、あっと言う間に描いたと思います。
なんとも藤田らしい猫の描写が、愛らしいですね。
サインも洒落てるので、スタイリッシュな雰囲気もある作品になりました。
藤田嗣治「猫」
作家名:藤田嗣治 作品名:猫 サイズ:17.2×12.6cm 制作年:1958年
(文/青龍堂店主)
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