この作品は1924年(大正13年)第五回帝展に出品された「アマゾーヌ」の6号サイズの下絵です。
ギリシャ神話の勇猛な女族アマゾーヌから取ったもので、活発な女性像を描こうとしたのでしょう。
出品作のコメントです。
「実際如何にモダンな女性でも騎馬で海水浴場に来ることはあり得まい。 (中略) この作品の中に表現し得たものがあるとすれば、スポーツ精神とか、健康美とかいうものであろう。極端に色彩と描線を要約してみたのが私の手法上の苦心であった。」
出品作は線も色も要約して控えめにしているのですが、
本作はとても鮮やかでむしろ私はこちらの作品に魅力を感じます。
第五回帝展には「東洋振り」(アーティゾン美術館新収蔵)と2作品を出品しています。
「東洋振り」は藤島武二芸術の頂点といえる作品です。本作はその同じ時代の鮮やかな色彩が溢れ出すとても魅力的な作品です。
(文/青龍堂店主)
藤島武二 「アマゾーヌ」
1924年(大正13年)
キャンバス 油彩
40㎝×32㎝
日本近代絵画全集藤島武二No.25
東美鑑定評価機構あり
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