金泥(きんでい)で扇面に書き分けられた画面に、特徴のある徳利と生き生きとした楽しげに咲き誇る紅梅。なんと美しく品のある絵でしょう。
この絵は小倉遊亀先生の描かれた「紅梅と徳利」です。
陶磁器を愛し花を活かして描く静物画は師の安田靫彦先生が
「北鎌倉の特産品」と称して絶賛したそうです。(小倉先生は北鎌倉に住んでいました。)
小倉遊亀先生は古九谷の皿や徳利だけでなく、この作品で描かれている富本憲吉の九谷の捻徳利(ひねりとっくり)も愛蔵されていました。
華やかな扇の舞のような、
春の到来を待ち望む美しい作品ですね。
(文/青龍堂店主)
小倉遊亀 「紅梅と徳利」
38.4㌢×55.3㌢
紙本 彩色
鑑定あり
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