坂本繁二郎は留学から帰国後、馬を題材とした作品を精力先に描き始めました。
以後、馬は生涯のテーマとなって行きます。
この作品は1936年に描かれた水彩です。
「耕馬」というタイトルで、畑を耕している馬を描いています。
ちょうどこの頃は、代表作の馬の油彩を多く描いている時期です。
静物画と違って馬は描くのも一苦労だったようですが、それでも納得のいく作品を追い求めて描き続けました。
光と色彩を追求していた坂本の、その魅力を感じさせる作品です。
日本人にしか描けない絵を描くことを追求していた坂本繁二郎。彼の見つめていた光と色彩を感じられる気がします。
(文/青龍堂店主)
坂本繁二郎 「耕馬」
1936年 10.9㌢×17㌢
鑑定あり
坂本繁二郎画集掲載 No.286
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