俵屋宗達や尾形光琳が好んで多用していたことで知られる「垂らし込み」の技法は、水を盛り上げて描く技法ともいえます。画面に水や墨を塗り、濡れているうちにそこに絵の具を垂らして加えて滲ませます。
前田青邨の垂らし込みは格別です。
今回ご紹介する作品は墨で描いた雲海の中の龍です。
垂らし込みによって描かれた雲海が龍に躍動感をもたらし今にも動き出しそうな様子です。
この滲みがなんともいえない味わいを醸し出してますね。
また、滲みを多用した独特の太い線描も青邨の特長です。
この滲みと線描はずっと見ていられますね。
(文/青龍堂店主)
商品情報 作家名:前田青邨 作品名:龍 鑑定:東美鑑定評価機構鑑定書あり サイズ:43.0cm x 57.5cm
Comentários