先日行われた東京美術倶楽部での東美特別展。約5000人の方に訪れていただいたそうです。日本の美術への関心の高さに驚きます。
さて、青龍堂では梅原龍三郎のアトリエ再現をしてみました。
正面の大きな作品は97歳で描いた絶筆(最期の絵)の「浅間」という作品です。
モネ の晩年の「睡蓮」やセザンヌの「サント=ヴィクトワール」を彷彿とさせる素晴らしい絵です。
梅原のアトリエはこの弁柄(べんがら)のような赤い壁で、ペルシャ絨毯や朱塗の箪笥や赤絵の陶磁器などが飾れていて、赤づくしだったようです。
古い写真で色が悪いのですがこんな感じだったみたいです。
このルノワールの「薔薇」は梅原龍三郎旧蔵のものです。今回も展示してみました。
梅原は若い時に桜島を描いてそのあと富士山や浅間山と、描く山は決まって火山でした。好きな色は赤、やはりエネルギーが湧いてくるのかもしれませんね。
しかし、展示中この部屋にて気がついたのは、弁柄の赤はギラギラしているところがなく、すごく落ち着いた空間になるのです。しかも、他の作品にも非常によく映えていました。
実際のアトリエを再現し、作品を見るとまた梅原龍三郎という画家の魅力を再認識することができます。
(文/青龍堂店主)
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