藤田嗣治と言えば猫である。
トレードマークのように出てくるさまざまな猫の千変万化の形態とその生き生きとした表情を皆様もイメージされる事でしょう。
藤田は
「私は猫を友達としている。
贅沢な猫でなければ描けないと言うのでもなく、捨て猫でも泥棒猫でも、拾い上げて飼うのである。
フランスでは滅多に捨て猫はいないが、それでも年に1回や2回は迷ってやって来るので、そんなのを買っているのである。」
と語っています。
なるほど。だから、愛らしい表情からちょっと生意気そうな表情まで、色々な猫が描けるのでしょうね。
今回の作品は1955年作の猫のドローイングです。
藤田のドローイングとは、面相筆という細い筆で墨で描いた作品で1955年はその線の太さや細さの変化のとても美しい年代です。
この美しい線で描かれた猫の表情もたまりませんね。毛の質感も絶妙です。
皆さまはこの猫は今どんなことを考えているのだと思いますか?
そんな風に色々想像するのも楽しいですね。
全体の画像で左下に何か書いてあります。
Hommage d'artiste Foujita
アーティスト藤田より贈呈
という意味になるのでどなたかに差し上げたのでしょう。
藤田の猫はやっぱりいいですね〜🐈
(文/青龍堂 店主)
作品情報
作家名:藤田嗣治 作品名:猫 サイズ:34.2cm x 23.2cm ドローイング
紙 水墨 東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定書あり
Sylvia BuissonカタログレゾネNo.55.39
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