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  • 執筆者の写真青龍堂 小川

都一中シンポジオン 2023年3月13日

更新日:2023年4月28日

「新宿 京懐石 柿傳」さんで「都一中シンポジオン」が月に一度開催されています。国の登録有形文化財に登録された柿傳さんの素晴らしい床の間に毎回作品を飾らせていただいております。


 


ところで、一中節とはどういうものでしょうか。

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成り立ち

一中節は江戸浄瑠璃系三味線音楽の源流。初世都太夫一中は慶安三年(1650年)に京都明福寺住職の次男として生まれ、当時京都で盛んだった様々な三味線音楽を次第に統一し、のちには江戸にも進出して一中節を確立した。江戸時代には「ねずみの糞と一中節の稽古本のない家はない」と言われるほど、一中節は一世を風靡し、江戸の町人の上流階級に愛好され楽しまれた。

300年以上経った現在でも初世の音楽性と精神は忠実に伝承されている。さらに、初世の音楽は弟子たちに受け継がれ、その後常磐津、清元、新内、富本等へと発展し様々な流派の源流となって、三味線音楽全体に多大な影響を与えた。一中節は日本の音楽史上重要な地位を占め、芸術的にも非常に価値の高いものとされている。

 

音楽的特徴

一中節は中棹の三味線を用い、三味線に合わせて浄瑠璃を語るスタイルをとる。

音楽的特徴は、三味線音楽の中でも特に繊細で優雅な雰囲気を持っていることで、その音は、これ以上足したり引いたりすることができないほどに洗練され精緻に組み立てられている。戦国の世から半世紀、平和が訪れ芸術文化が開花し始めた時期に初世一中は、人々の心の中にお経に代わって音楽で極楽浄土を現出させようとした。その代表的な曲「辰巳の四季」では、京都宇治の風景を極楽浄土に見立て、水面に映る光の輝きの情景などを、あたかもその200年近く後にヨーロッパで誕生し開花した印象派芸術――モネの絵画やドビュッシーの音楽――のように表現している。


(都一中音楽文化研究所H Pより)

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「都一中シンポジオン 第10シーズン」

テーマは「音で観る歌舞伎」(全6回)


今回は第3回目 常磐津「靭猿(うつぼざる)」

猿回しの猿から命のありかたの尊さを教えられる歌舞伎「花舞台霞猿曳(はなぶたいかすみのさるひき)」


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靭(うつぼ)とは、矢を束ねて入れて保管するケースで、筒の内側は、矢が痛まないように、鹿や猿などの柔らかい毛皮が貼ってあるものです。この舞踊は、女大名(おんなだいみょう)と奴の桔平(きつへい)が代参の途中、その靭に使う革を探していると、タイミング良く猿が現れ、これを捕らえて靭の革にしようとします。そこへその猿の主である猿曳(さるひき)がやって来て、生活の糧だから殺さないで欲しいと懇願しますが、大名の命令を断るわけにもいかず、やむを得ず、殺す決意をします。しかし、殺されるとは知らずに芸をする猿を見て、可愛そうに思った女大名はその猿をあきらめる、という人情味あふれる舞踊です

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都一中先生は演奏前に必ず演目の内容と音の意味を説明してくださいます。江戸の文化・芸能に精通しておられる先生のお話は毎回非常に興味深く、好奇心が満たされます。

そして、和かなお話の後、演奏が始まるとピーンと張り詰めた空気に一転。常磐津の情感のこもった迫力のあるお三味線と浄瑠璃を聞いていると頭の中に登場人物の姿や表情、その情景が浮かびます。猿回しの猿が、自分を打ち殺そうとした鞭を手に健気に演技をする姿を想像し目頭が熱くなりました。「靭猿」は元々は狂言の演目で室町時代に作られたとのこと。日本人はその時代から猿(動物)に哀れを感じ、命を助ける心を持っていたことに感銘を受けました。

そして後半は、繊細で大変美味な京懐石とお酒に舌鼓を打ち、皆様と楽しく語らう…とても優雅で学びにもなる素晴らしいひとときです。


次回ご参加ご希望の方はこちらより、お申し込みください。



(青龍堂 小川)


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毎週金曜日22:30-23:00は都一中宗家とみなさんで座談会を行っています。

参加費はいただいておりませんので、ご興味がある方は是非ご参加ください。


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