
前回ご紹介した鏑木清方の「花さ可り」今回は作品のシチュエーションを見ていきたいと思います。
立て膝で脇息にもたれ、逆さに扇を持ち、打掛を肩から落ちそうに羽織っている佇まい、素敵ですね。
髪型は江戸時代初期、武家の女性の間では後ろで結ぶ垂髪に加え、民間でも流行した「根結いの垂髪」。
という事は江戸の初期のなので、太夫さん(最高位の遊女)が格の高い頃。
どこかの大旦那が人気の太夫を伴ってお花見に興じてる。
そんな情景かもしれません。
想像するのも楽しいですね。

(文/青龍堂店主)
鏑木清方「花さ可り」
軸装 共箱
39.0×51.3cm 絹本彩色
東美鑑定評価機構鑑定書あり
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