小泉淳作(1924〜2012)は「売れる絵」に背を向け、自分が納得する絵をひたすら追求しました。そのせいか遅咲きの作家で、60歳でやっと絵で生計を立てられるようになりました。
ただそれ以降は、鎌倉建長寺の天井画の雲龍図や京都建仁寺の双龍図、東大寺の障壁画と大きな仕事が舞い込んできました。
今回ご紹介するのは1981年作
「牡丹」です。
まだ小泉淳と名乗っていた頃で、ルオーやビッフェの影響から抜け出して本人らしい水墨を基調とした作風になりだした頃の作品です。
力強いのに何故か神秘的な感じがします。
数年後の個展の会場にイサムノグチさんが来て冬瓜の絵の前で「この絵には神様が宿っている」と言ったそうです。
作品を実際にご覧になってこの世界観感じで頂きたいです。
(文/青龍堂店主)
小泉淳作 「牡丹」
1981年
45.5㌢×53㌢
小泉淳作画集掲載No.72 求龍堂出版
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