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執筆者の写真thebluebox

近代美術を駆け抜けて夭折した画家 三岸好太郎

更新日:2021年1月2日

三岸 好太郎(みぎし こうたろう、1903年- 1934年)は、戦前の近代美術を代表する洋画家の一人です。


札幌に生まれた三岸好太郎は1921年画家を志して上京します。

最初に彼に影響を与えたのはフランスの素朴派、アンリ・ルソー。遠近感のない風景画、一枚一枚丁寧に描かれた草木が織りなす独創的な世界観はキュビスムシュルレアリスムの先取りと言われています。


アンリ・ルソー

(ロンドン ナショナル・ギャラリー蔵)



娘「麗子像」で有名な岸田劉生の影響も強く受けます。

赤い肩かけの婦人像1924  三岸好太郎道立三岸好太郎美術館蔵)



中国旅行(1926年)の後からはエキゾティックでロマンティシズム溢れる画風になり、その後荒々しいタッチの道化シリーズを描きます。


マリオネット1930 三岸好太郎


1934年にはシュルレアリスムに移行し、連作「蝶と貝殻」シリーズを発表します。

白日夢のような幻想的な光景が特徴的です。彼はその年に胃潰瘍で吐血し、31歳の短い生涯を終えます。






戦前の近代美術を駆け抜けた三岸好太郎。その独創的で幻想的な世界観が私たちを魅了します。



本作品は1927頃、岐阜に滞在していた時の作品です。道化シリーズの少し前でしょうか。

作家の年代と作風について少しわかっていると、作品を観る楽しみも格別です。




商品情報

作家名:三岸 好太郎(みぎし こうたろう)

作品名:風景

サイズ:31.8×41.1㎝

制作:1927年頃

油彩・キャンパス

東京美術倶楽部鑑定書あり


(文/The Blue Box)






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