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執筆者の写真青龍堂 店主

奥村土牛の素描

今回は奥村土牛先生の素描をとりあげてみたいと思います。


素描とはデッサンのことです。絵画の習作や下絵として描かれますが、

完成品としても鑑賞されます。


日本画は、本画は画室(アトリエ)で描かれます。

膠(にかわ)や岩絵具などを使うので、油絵のようにイーゼルにキャンバスを立てかけて屋外で描くことがありません。


風景や人物、花も画室に持ってこれないモノを描くには、素描が必要になります。

書きたい対象をその場所で捉える素描は完成作の設計図のような大切なものなのです。

その時に感じたその対象のありのままの姿を巧みに捉えて描き残します。


薔薇(素描)


舞妓(素描)


奈良三月堂前(素描)


素描は、作家の個性や体温まで感じられるような不思議な魅力に溢れています。

真摯なその線や色彩が一瞬を捉えます。


洒落たデッサンや素描がさりげなく飾ってあるお宅に伺うと、その方の本質を見抜く美意識を感じます。



(文/青龍堂店主)


奥村土牛 素描


「素描 薔薇」

43.3㎝×33.2㎝ 共シール 東京美術倶楽部鑑定書あり


「舞妓」

43㎝×33 ㎝東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定書あり


「奈良三月堂前」

44.8㎝×37.3㎝ 東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定書あり

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