前回のブログでも書きましたが、ピカソが初めて闘牛(Corrida)を観たのは9歳の時で、その年に初めて描いた油彩画はピカドール(槍手)でした。その後闘牛はピカソの作品の代表的なモチーフになっていきます。
前回ご紹介した作品は槍手のピカドール(picador)と馬、主役の闘牛士マタドール(matador)と闘牛が力強く描かれていました。
お皿の周りの牛達は、真ん中のドラマティックな光景と対比するように描かれています。
さて、今回のこの作品も闘牛がテーマです。作品名はPase de cape. 闘牛の最後の15分のハイライト。主役の闘牛士、マタドール(matador)が、ムレタ(muleta)と呼ばれる赤い布を持ち、右手の短剣で牛にとどめを刺します。「エストカダ(estocada)=真実の瞬間」です。
ムレタ(muleta)がひるがえり、闘牛が跳ねるこの一瞬を切り取るように作品に残しています。
闘牛士とも親交があり、スペインの情熱そのものである闘牛を愛したピカソ。一回一回が真剣勝負の陶芸の世界に、闘牛を重ねていたのかもしれません。
(文/The Blue Box)
作品情報
作家名:パブロ・ピカソ PABLO PICASSO
作品名:Pase de cape 4/50
サイズ:直径42cm diameter:42cm
技法:セラミックCeramics
制作年:1959年 Executed in 1959.
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