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執筆者の写真青龍堂 店主

額の話

絵画を取り扱っていると額の合う合わないで作品の魅力が変わることがあります。

絵画を引き立てたり、逆に魅力が半減したり。

なのでいつも作品を購入すると額を替えるかそのままか、時間をかけて検討します。


先日blogで上げた安井曽太郎は、はじめはとてもシンプルなデッサン用の額に入っていました。



悪くはないのですが、作品が力強く鮮やかなので何か物足りない感じがしてしまいます。


そこで通常ですと新規に合いそうな額を注文するのですが、たまたま梅原龍三郎の湖畔の道(ストレーザ風景)という作品があったのを思い出しました。



いい作品なのですが何か窮屈な感じがしていたのです。


わかりやすい方法としては、額から外してみて額に入った状態よりよく見えたら、合っていないという事です。


全然違いますね。外した途端、絵がさらに生き生きと見えます。

という事はあの額は合ってなかったんですね。


梅原龍三郎と安井曽太郎。2人は昭和の洋画壇を牽引した巨匠ですが、梅原はルノワールの影響で豪華絢爛華々しくて曲線的なイメージです。一方、安井はセザンヌのような品格と優れた色彩色調で直線的なイメージを感じます。

そのようなイメージの違いが、それぞれに合う額を左右すると思います。


先程の梅原の額はむしろ安井作品に合うような気がしました。


入れ替えてみました。ほんの少しサイズが違ったので、額屋さんに中のフレームの上下左右の幅を変えてもらってうまく入るようにしてもらいました。


重厚感が増して、とてもこの仕上がりに満足です。

絵が力強いのでこの額でも負けていないので凄くいい感じですね。


梅原に合った額は新規で依頼したのでそちらも仕上がりが楽しみです。

出来上がったらまたblogで紹介させて頂きます。


(文/青龍堂店主)



作品紹介

安井曽太郎 

海の見える庭にて

紙・パステル 共シール

35.7㎝×25.4㎝ 1955年作

東京美術倶楽部鑑定


梅原龍三郎

湖畔の道(ストレーザ風景)

紙・岩彩 共シール

31.8㎝×22.8㎝ 1958年8月

東京美術倶楽部鑑定




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