藤田嗣治のこの作品は銀箔に水墨でかぶと虫と蜂を描いています。
琳派の屏風絵を彷彿させるような面白い作品ですが、よく見るとその筆さばきの凄さに驚きます。
比較的早めのストロークでさっと描かれていますがかぶと虫のトゲトゲした独特の足や背中の光沢までなんとも言えない巧みさを感じます。
この蜂も凄いです。
墨の濃淡で、今にも羽ばたいている羽根の残像が見えてきます。
こちらはかなりの珍品ですね。
乳白色の下地ばかり取り沙汰されますが、やはり藤田は線が美しいですね。
(文/青龍堂店主)
作品情報
藤田嗣治 銀地(紙)・墨
26.8㎝×24.0㎝
東美鑑定評価機構
#fujitatsuguharu
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