「椀久(わんきゅう)」とは、江戸時代に実在した大坂堺筋の豪商「椀屋久右衛門」の略称です。その椀久が新町の遊女松山と愛し合い、節分の豆撒きに金銀を撒き散らすほどの豪遊の果てに座敷牢へ入れられ、延宝5年(1677)に狂死したという実話を元に様々に脚色された歌舞伎・浄瑠璃・音曲などがうまれ、椀久物(わんきゅうもの)と呼ばれています。
今回も、一中節「椀久道行」と常磐津「椀久色神送」の両方を、一中先生が演奏してくださいました。趣が異なる演奏によってそれぞれの特色を体感できます。赤く染まった川など視覚的なイメージもとても鮮烈で、この演目に人気があったのもうなずけます。
今回、床の間に飾らせていただいた作品は須田剋太「常照皇寺桜」です。司馬遼太郎の「街道をゆく」の挿絵を20年担当した須田剋太は司馬遼太郎と共に世界中をまわり、いく先々で描きました。京都の北部にある常照皇寺も一緒に訪れた場所です。作品に描かれている九重桜は北朝初代の天皇となった光厳上皇のお手植えで樹齢650年といわれています。画面いっぱいの桜は目の前に迫ってくるような力強さと迫力、そして静けさに満ちており、
悠久の歴史を秘めた魅力があります。
(須田剋太「常照皇寺桜」商品情報はこちら)
次回は都一中シンポジオン 第12シーズン
第4回 一中節「松羽衣」・常磐津「松逎羽衣」
4月26日(金)となっております。
18時~受付 18時半開始 21時頃終了予定
【会場】新宿京懐石 柿傳 6階古今サロン
【会費】各回10,000円(税込)※点心付き(飲物別途)
詳細はこちらから。
〔お申し込み〕
新宿 京懐石「柿傳」Tel: 03-3352-5121 Fax: 03-3350-5111
メール: mail@kakiden.com
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