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都一中シンポジオン 常磐津「将門」

執筆者の写真: 青龍堂 小川青龍堂 小川

4/26(水) 「都一中シンポジオン 第10シーズン」

今回は第4回目 常磐津「将門」

歌舞伎の演目の中でも、豪華な衣裳と大がかりな舞台で繰り広げる、妖術を使い怨をはらさんとする、平将門の息女滝夜叉姫が主人公の歌舞伎「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)」

「将門」は大衆に愛され広く知られた非常に人気の高い演目で、岡本綺堂は「街角のあらゆる家からこの唄が聞こえていた」と書いています。皆が知っている唄ということで最初に習う“手ほどき”には「将門」が使われていたそうです。



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あらすじ

朝廷に反旗を翻し、滅んでいった平将門。将門がかつて御殿としていた古御所に蝦蟇の妖術を使う妖怪が棲むと聞き、大宅太郎光圀がただ一人で征伐にやって来ます。ところが光圀の前に現れたのは、島原の傾城如月と名乗る妖艶な美女。怪しい女だと悟られ、如月は実は平将門の遺児滝夜叉姫と本性を顕し、大蝦蟇を従えて光圀に抵抗します。しかし光圀に追い詰められた滝夜叉姫は妖術で姿を消すのでした。

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今回、床の間にかけさせていただいた作品は須田剋太「一」です。司馬遼太郎の「街道をゆく」の挿絵を担当した画家で、画業前半には何度も入選・特選を受賞した実力のある画家です。40代で道元の禅の世界に傾倒し、抽象画の制作を経てたどり着いた最後の境地“一”シリーズの一枚。亡くなる一年前の作品です。右上に書かれているのは「万法帰一 一帰何処 相対差別 即 絶対平等」。「万法帰一」とは、宇宙の万物(=万法)は相互に関連し合い、一つの源から発生しているとする考え方です。禅では、万物との一体性を認識し、私たちが同じ源、つまり“一”から来ていることを実感することに重点を置いています。 “一”とは神羅万象であり、大いなる生命そのものといえます。

書の形を取りながらも抽象画の領域といえる本作は西洋の近代絵画の造形論と東洋の深い思想が見事に融合した趣深い作品です。








次回は、第五回 5/23(火) 常磐津「釣女」

真摯に神に祈った大名は美人の妻を娶るが、酒に酔って不真面目に祈った家来は・・・

洒落たユーモアに溢れた歌舞伎「戎詣恋釣針(えびすもうでこいのつりばり)」です。

皆様のご参加をお待ちしております。


今月より早めにお席が埋まっております。新宿「柿傳」さんへ直接のご予約をお願いいたします。ご予約情報はこちらです。


〔お申し込み〕

新宿 京懐石「柿傳」

Tel: 03-3352-5121 

メール: mail@kakiden.com


#須田剋太


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