岸田劉生の画業は、前半のデューラーの影響の西洋的な写実の時代から後半の東洋の美に目覚め宗の時代の絵画や南画風の作品へと大きく変わっていきます。
今回ご紹介するのは、その後半の東洋の美、宗の絵画の影響の頃の作品です。

秋の初めに、いちじくと唐辛子とカーネーション(江戸時代には日本にすでに入ってきていたようです)を壺に生けています。
「東洋の画には西洋の画とはまた別な芸術的魅力があるのが分かってくる。東洋のものの味というものは、また一段と、深い意味で、渋いところがある」と語っています。

全体的には
サラッと描いてありますが花の部分などとても魅力的です。
劉生が魅せられた東洋の美。
それを感じる一枚ですね。
(文/青龍堂店主)
作品情報
岸田劉生
「初秋小彩」
23.8㎝×35.5㎝
紙本・彩色
劉生の会鑑定
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