前回ご紹介したこの作品のモデルを探っていきましょう。
3年後の昭和3年に描かれた「来信」
という作品。
この作品にはモデルの写真が残されています。
そしてこのモデルを使った作品にこのようなものもあります。
首筋や背中の感じが今回の作品ととてもよく似ています。
年代も同じ頃なのでおそらく間違いはないでしょう。
写真は白黒なのであまりよく分かりませんが、岡田三郎助のお弟子さんの話だと実際のモデルさんは皆、小柄で細く浅黒い人が多かったそうです。
肌の色については「手本は黒い方が影がよく見えた」といい「(白いと)色が見えすぎてその取捨に困る」と常人には理解の出来ない岡田の独自の感覚があったようです。
それにしても透き通るようなこの肌の色あいは岡田三郎助の想像だとは思いませんでした。
(文/青龍堂店主)
岡田三郎助
「婦人裸像」
1925年
キャンバス・油彩
21.8㌢×27.0㌢
岡田三郎助作品図録No.301
東美鑑定評価機構あり
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