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須田剋太の書を味わう「風草」

須田剋太は、禅にも傾倒し、晩年とは思えないほどの力強い書を残しています。


この「風草」という作品も、風から草にかけての筆の動きが想像できる動きのある作品です。わかりにくいと言われる書ですが、今日はこの書を一緒に味わっていただきたいと思います。


まず、一番最初に浮かぶのは草原に風が吹いている風景でしょうか。皆様の心の草原も様々だと思います。





風草と書いて、カゼクサというイネ科の植物があるそうです。どこにでも生えているそうなのでピンとくる方も多いかもしれません。

大地にしっかりと根を下ろしていているのですが、わずかな風にもなびくそうです。そのことから 風を知らせる という意味で、風草と呼ばれるそうです。


この書の  も風にそよぎながらもしっかりと地に足をつけている、強さとしなやかさと繊細さが感じられます。


 という字ですが、もともとは「鳳」(おおとり)というはばたいて風を起こす神様のことだったという説があります。さらに鳳凰という字は、鳳は雄、凰は雌を指すと言います。他にも、風は龍の姿をした神が起こすとも言われており、その音を示す部分が「凡 」、龍を含めた爬虫類の虫(き)という文字が中に入ってできた字とも言われています。(形は同じですが、虫(むし)とは関係ないようです。)

鳳凰や龍をイメージするとなんと心強い風でしょうか。



(2024 アートフェア東京にて)


風と草を使った禅語に「撥草瞻風(はっそうせんぷう)」というものがあるそうです。

「草をはらい 風を見る」

煩悩の草を撥ね、菩提の風を瞻仰(せんごう)す。自分の信じるものをしっかり見ていく。


風を見るということから連想される語が、風光、風景(景はひかりの意味)です。古来から私たちは風とひかりで自然を愛でてきたのでしょう。



(2024/4/26 都一中シンポジオン 新宿京懐石柿傳にて)


大地にしっかり根を張り、煩悩を振り払い、己のひかりをしっかり見て、しなやかに生きていくものが見る風景。





みなさんの心の中には、どんな風景が浮かびましたでしょうか?


(文/The blue box)



[作品詳細]


須田剋太「風草」

70.5x111cm

1986年

須田剋太鑑定委員会鑑定書あり




作品を実際にご覧になりたい方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。







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