奥村土牛の素描は、そのものの真髄を捉えるような線が魅力です。
舞妓について土牛は
「舞妓さんはいわば人形のような美しさです。そこには舞妓さん個々それぞれの顔かたちの異なるように、その美しさも異なるなですが、顔も衣装もそれら一切を含めての舞妓の美しさといいますか、その中にある古風な魅力とでもいいますしょうか。私はそれに惹かれ、それを掴みたいと思っています。」
と語っています。
魅力的で素敵な作品だと思っていたら、なんと1961年4月号の「文学散歩」という本の表紙を飾っていました。
時が流れても、この舞妓さんの凛とした美しさは変わることはありません。土牛の素描は本当にいいものです。
(文/青龍堂店主)
奥村土牛 「素描 舞妓」
51.3㌢×42.9㌢
東美鑑定評価機構
1961年4月号「文学散歩」表紙絵
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