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奥村土牛 真髄の「素描」

日本画の巨匠奥村土牛先生は、遅咲きの画家と言われています。

名作「鳴門」は70歳、「醍醐」を描いたのは83歳の時だそうです。

牛のごとくゆっくり時間をかけて絵一筋に歩んだ人生。絵の真髄である「素描」にも先生の思いが込められています。何ヶ月も時には数年かけて、丹念に写生、デッサンを繰り返した土牛先生はこんな言葉を残されています。

「私はこれから死ぬまで初心を忘れず つたなくとも生きた絵を描きたい。芸術に完成はあり得ない、要はどこまで大きく未完成で終わるかである」



奥村土牛「素描 一字金輪坐像」


奥村土牛「素描 舞妓」



奥村土牛「素描 鎌倉ノ庭 椿」



未完の美。初心を忘れず、いつもまだまだの気持ちで真摯に取り組む。

101歳の天寿を全うするまで、生涯現役であった土牛先生は、人生100年時代と言われる私たちがどう生きるかも教えてくれているような気がします。


(文/The Blue Box)

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