画題は「保昌赴丹図」。
画面の右下に人物が描かれています。馬上の人物が保昌なんでしょう。
藤原保昌(ふじわらのやすまさ)は平安中期の貴族です。道長四天王とも呼ばれ武勇に優れていて、色々な逸話を残しています。
中でも源頼光とその四天王(渡辺綱、坂田金時、卜部季武、碓井貞光)と共に大江山に住む酒呑童子を征伐した話は有名です。このお話は能や歌舞伎や浄瑠璃などの題材として取り上げられています。
この作品では、藤原保昌が丹後の守に任ぜられ赴く場面が描かれています。
この保昌の妻が和泉式部。
次回はこの作品に描かれた和泉式部の事に触れたいと思います。
(文/青龍堂店主)
富岡鉄斎 「保昌赴丹図」
絹本彩色 共箱
133㎝×56.5㎝
明治25年
大阪美術倶楽部鑑定あり
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