
菩薩は悟りを目指して励む修行者のことをさします。仏の慈悲を実践することで、すべての衆生に対する利益(りやく)救済を図ろうとつとめます。
岩間で修行に励む観音さまに空から光がさして、悟りを開いたことを啓示しているかの如くなんとも神々しく美しい作品です。

周りの風景の描き方は滲みやぼかしを使い幻想的な雰囲気になっています。それとは対照的に、観音さまは安田靫彦らしい線の美しさが際立っています。
観音さまの悟りの時をとらえたこの作品。私たちの心にも光が刺す気持ちになります。
安田靫彦
「観世音菩薩」
125.5㌢×41.3㌢
絹本彩色共箱
鑑定あり
コメント