「絵画というのは、自然の単なる模写ではなく、線と色彩と明暗との確固とした構成の内に対象物を最も清新に表現する事である。」
「また、私達はデッサンの重要さを悟り、自然を研究する時間を十分持たなければならない。」
と安井曽太郎(やすい そうたろう)は語っています。
京都に生まれ、大正から昭和にかけて活躍した洋画家、安井曽太郎(やすい そうたろう)。その考え練られた構図や力強い線と色彩に魅せられます。
今回ご紹介する作品は、雨の中の桜の風景がパステルで描かれています。
しっとりとした空気も伝わってくるような中で、その色彩に優しく引き込まれていきます。
この写真は安井曽太郎のアトリエのあった湯河原の風景です。
もう1点は、奥入瀬風景のデッサンです。
「デッサンの重要さを悟る」
まさにその言葉の通りの彼の几帳面さとその芯の強さが、力強い線となって奥入瀬の水の流れを捉えています。
パステルと鉛筆デッサン、それぞれをじっくり味わって見てください。絵画制作に真摯に向き合い、求道者のごとく突き進んできたの安井曽太郎の深い思いに触れたような気になりませんか。
(文/青龍堂店主)
作品情報
作者:安井曽太郎 作品:「雨中の桜」 制作年:昭和24年4月 サイズ:20.4×23.2センチ パステル 共シール 東京美術倶楽部鑑定あり
作品:「奥入瀬」 サイズ:27.4×37.1㎝ 鉛筆 安田はまシール
東京美術倶楽部鑑定あり(鑑定書作成中)
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