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執筆者の写真青龍堂 店主

更新日:2021年7月25日

洋画家、中川一政(なかがわ かずまさ)の書。

彼は漢詩や万葉集など色々な書を残していますが、今回のこの作品は秀逸です。



自由自在、融通無碍(ゆうずうむげ)の中川一政が

「藝」という一文字。


昭和55年86歳の元日に書かれました。

書き初めですね。


画家の書は絵画の時よりも作家の人間性が垣間見れて面白いです。

藝と書くと、芸術という意味だけでなく藝の道というニュアンスを感じます。

演者であったり作者であったり、作り出す側の人々の「芸とは何ぞや」の問答のようです。


創り出す側の想いや、心持ち、目指す道。この一文字で沢山の事が想像できます。


力強く存在感があり、かといって気を衒ったとこが一切なく、ただただ「藝」というものの本質に迫るそんな書だと感じました。


「書は読むのではなく感じるものだ」と言われますが、あなたは何を感じましたか?


(文/青龍堂店主)


作品情報

中川一政 「藝」

紙・水墨

69.3㎝×70.3㎝

共シール「年元旦」

東京美術倶楽部鑑定



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